部会活動
医療情報化部会
部会長
北岡 有喜 独立行政法人国立病院機構京都医療センター医療情報部長
部会のテーマ
2018年6月の閣議決定にて、個人健康・医療・福祉・介護履歴情報管理サービス「ポケットカルテ®」を代表事例とするPHR(Personal Health Records)の普及が、政府の進めるSociety5.0のフラッグシッププロジェクトの一つとしてとして位置付けられた。これを受けて、2019年9月より厚生労働省主管の「国民の健康づくりに向けたPHRの推進に関する検討会」が設置され、当部会の北岡部会長も作業班の委員として参加している。また、2020年10月より総務省主管の「5G時代における遠隔医療等の在り方に関する調査研究」検討会とWGが設置され、検討会委員およびWG座長として北岡部会長が参加している。
このように、当部会の成果が国の事業として展開され始めたことを鑑み、当部会では昨年度に引き続き、個人健康・医療・福祉・介護履歴情報管理サービス「ポケットカルテ®」を情報基盤とし、総務省地域IoT実装推進ロードマップでの成果目標達成に向けて「ポケットカルテ®」の登録者数500,000人、「地域共通診察券」の発行枚数500,000枚という目標に向けて、普及啓発を推進する。
具体的には、下記7点の活動を進める。
①「ポケットカルテ®」電子版お薬手帳や過去の診療明細・検査結果などを閲覧・印刷できる機能を実装したキオスク端末を医療機関や調剤薬局などに設置を進めることにより、携帯電話やパソコンがなくても、「ポケットカルテ®」のサービスが利活用できる環境を整備する。
②2015年7月に公開したiOS対応アプリケーションの普及を図るとともに、電子版お薬手帳の見やすさの改善、服薬管理機能、日本薬剤師会形式のQRコード読み込み機能の全国への普及展開を進める。
③公的個人認証基盤接続に係る実証事業成果を元に、電子版母子手帳、電子版NICU退院手帳の普及促進、電子版透析手帳と透析システムとの連携、在宅透析システムとの連携につなげていく。特に、「国民の健康づくりに向けたPHRの推進に関する検討会」の成果を踏まえて、地方自治体が保有する住民一人一人の健診・検診データや予防接種記録などを、マイナポータルを通じて、各個人の「ポケットカルテ®」にデータ提供する機能の実装を検討する。
④京都府下だけでなく、兵庫県丹波市(柏原赤十字病院)、愛知県名古屋市(名古屋掖済会病院)神奈川県横浜市、富山県南砺市、高知県南国市、北海道帯広市等の地域での取組により地域共通診察券の発行拡大を実施し、ケーブルテレビ各局の対象地域においても発行拡大を実施していく。
⑤「ポケットカルテ®」および地域共通診察券「すこやか安心カード®」運営協議会や合同勉強会を通じて、保健医療分野における先進的なICT/IoT/AI情報を提供し、新たなビジネス交流の機会を提供する。
⑥また、昨年度から新たに取り組んだICT/IoTを利活用した医療分野における働き方改革も継続して取組、ARやVRを実装したスマートグラスと「ポケットカルテ®」の連動により、来るべき少子高齢化・人口減少社会おける高度専門技術の継承にかかる調査・研究開発を行う。
⑦「ポケットカルテ®」に蓄えられたビッグデータを公益利活用するために、データオーナーである各利用者が、公益利活用を希望する第三者に利活用許諾の同意・不同意・同意撤回およびそれらの履歴管理をするための情報基盤の構築に向けた調査・研究開発を行う。